お金は指標になる:お金と向き合う(その1)
お金は指標になる:お金と向き合う(その1)
お金は逃げれば魔物になり、向き合えば指標になる
お金から逃げる
だんだんと残高が減っていく預金通帳。
日に日に膨らんでいく借金。
毎月山のように届く請求書。
会社経営が上手く行っていない状況では、お金という現実から目を背けたくなります。
「こんなはずではなかった」
「どうしたらいいんだろうか」
「あの時、あの契約が取れていれば・・・」
お金=現実
そして、会社でお金がなくなることは倒産を意味します。
人は見たいと思う現実しか見ない
かの有名な古代ローマの政治家カエサルが言ったように
お金がなくなるという見たくない現実を見ようとしない
のは、人間の習性としてはやむをえないものです。
お金は魔物になる
見たくない現実から目を背けていると、
「あの社長は怒鳴り込んでくるだろうなぁ」
「このままでは自己破産だ」
「家族が路頭に迷うかも」
という妄想がどんどん膨らんできます。
この妄想は現実ではありません。
けれども、お金から逃げている限り、この妄想は勝手に膨らんでいきます。
まさに魔物にとりつかれた状態に陥ります。
「命の次に大切なのはお金」という教えもあるように、お金がないこと、お金が減ることに対して、多くの人はなんらかの恐怖心を抱くのではないでしょうか。
では、なぜお金は魔物になるのでしょうか?
前職のベンチャー企業に勤めている時、資金繰りが悪化して支払が滞りがちになると、いろいろなところから電話がかかってきました。
「今月の支払がまだ入っていませんが・・・」
「社会保険料のことでお聞きしたいのですが・・・」
「ちゃんと払ってもらわないとウチも困ります!」
こういう電話を受けるたびに、気持ちはすごく沈みます。
そして、
お金がないことで人格も否定されたような気持ちになる
↓
前向きに仕事をやろうという意欲がそがれる
↓
仕事が滞りがちになる
↓
売上が伸びない
↓
お金が増えない
↓
というように負のスパイラルに陥ります。
お金は人の感情と結びつくことで、やる気をなくし、すさんだ気分にさせる魔物になります。
お金と向き合う
では、逆に業績が好調で増収増益が続いている時はどうでしょうか。
毎月きっちりとした安定収入が入っている状態はいかがでしょうか。
また、預金通帳にたんまりとお金が入っている時はどんな感じでしょうか。
おそらく、預金通帳を見てニンマリしたご経験があなたにもあるのではないかと思います。
この時はお金が見たいと思う現実になっているため、特に苦労することなく、自然とお金に向き合えるはずです。
多くの場合、お金と向き合えないのはお金に原因があるのでありません。
お金と向き合った時に感じる自分の感情や気持ちがお金と向き合うことを避けているのです。
お金は指標になる
- 手元にお金が1,000万円あるというのも事実。
- 手元にお金が3,000円しかないという事実。
それ自体は良いものでも、悪いものでもありません。
お金が少ない時にお金と向き合うには少し勇気が要ります。
でも、ちょっと勇気を振り絞って少ないお金と向き合った時点であなたはその他大勢の経営者の中から一歩先へ進んでいます。
なぜなら、あなたは見たくない現実を見たのですから。
そして、現実を見ると、あるべき姿とのギャップに気づきます。
今月末に100万円の支払いがあるのに今手元に3,000円しかなければ、月末までに残り、997,000円をなんとかしなければなりません。
この時点で3,000円という現実は997,000円という目標に変わります。
つまり、3,000円というお金は997,000円という目標を算出するための一つの指標に過ぎないのです。
人の感情として「手元に3,000円しかない」という事実に落ち込むのは仕方がありません。
でも、「あぁ~」と感じた気持ちはそれはそれとして認識した上で、いったん脇に置いておき「さて、どうしようか?」と考えを切り替えましょう。
一歩踏み込んだあなたは997,000円という目標を既に手にしています。
妄想という魔物につきあっている時間はありません。
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