縦割りの弊害をなくす
縦割りの弊害をなくす
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「これ、ウチの仕事じゃないから!」
楽天銀行の立上げをやっていた時期、血相を変えて怒鳴り込んでくる部長がいました。
会社も一定以上の規模になると、部ができて、各部門毎の職務分掌が決まります。
営業なら営業部、人事のことなら人事部が所管です。
けれども、例えば、営業部で一人採用するという時、どこまでが営業部に裁量があり、どこからが人事部の仕事なのかは、会社によって異なります。
この点、各部署とも面倒くさい仕事はやりたくないということが基本的にはあります。
楽天銀行にいた時、私は総務部長をやっていたのですが、職務分掌上、その他の業務は総務部が担当だったので、「これ、ウチの仕事じゃないから!」となかなか言えないのがつらいところでした。
さて、人の採用であれば、どの部署が何をどこまでやるか、というのは比較的分かりやすいです。
しかし、会社が直面する問題の中では、どの部署が何をどこまでやるかを簡単には決められないことがあります。
例えば、厚生年金基金の問題もその一つです。
社員の福利厚生に関することなので、人事部もしくは総務部が担当という会社が多いのではないでしょうか。
けれども、厚生年金基金が解散した場合の影響という話になると、
・特別損失が発生→経理部
・積立不足額の納付→財務部
・退職金制度の見直し→人事部
・社員に対する説明→すべての部署
というように各部署が関係してくるのです。
国の対応においても、厚生年金基金の主管は厚生労働省です。
しかし、今回は
・中小企業対策→経済産業省
・債務者区分の見直し→金融庁
というようにいろいろな官庁を巻き込んだ仕事になっています。
部署の縦割りの弊害をなくして大きな問題に対してどう取り組んでいくか。
日本の会社や官庁が苦手な種類の問題です。
ところで、「これ、ウチの仕事じゃないから!」と怒鳴る人に限って、「どうして、それウチに報告しないの?」と文句を言ってくる傾向にあります。
各部署にまたがる仕事はいろいろと気を使います(汗)。
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