真意は正確には伝わらない前提で経営者は指示を伝えきる
真意は正確には伝わらない前提で経営者は指示を伝えきる
経験も価値観も異なる社員に対して、「何とか売上を上げろ!」という指示が、「(適正な利益を確保しつつ、いろいろと知恵を絞って)何とか売上を上げろ!」という本来の趣旨で正確に伝わるのは難しいです。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「傍線の箇所で筆者が言いたかったことを30字以内でまとめなさい。」
国語(現代文)の試験でよく出されるパターンですね。
試験の問題として出された以上、必ず正解があります。受験生の時は特に疑問に思っていませんでした。
けれども、最近は
正解は出題者が考える「筆者が言いたかったこと」であって、本当に「筆者が言いたかったこと」かどうかは筆者本人にしか分からないのでは?
という気がします。
先日は麻生副総理の発言が話題になりました。
ご本人は、「私がナチス及びワイマール憲法に係る経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである。」と述べられ、「私の真意と異なり誤解を招いたのは遺憾である」とおっしゃっています。
つまり、筆者の言いたかったことは違うと弁明されている訳です。
もちろん、発言の一部だけ捉えて安易に批判するのは避けなければなりません。
しかし、受取る側は一部だけを捉えて自分なりに解釈することは、どうしても避けられません。
これは、経営者の場合も同じ。
「あと1,000万円で目標達成なので、何とか売上を上げろ!」
という指示を出した時、
経営者の言いたいことは、(当然のことながら)
「適正な利益を確保しつつ売上を上げろ!」
です。
しかし、指示を受けた社員の中には、「(利益はともかく)売上を上げろ!」と解釈する人もいます。
経営者からすれば、
「日頃から利益を確保しろと言っているだろう!」
「お前ら会社全体のことをちゃんと考えとんのか!!」
と言いたいところです。
つまり、「文脈の中で捉えれば、正解は分かるだろう」です。
けれども、経験も価値観も異なる社員に対して、「何とか売上を上げろ!」という指示が
「(適正な利益を確保しつつ、いろいろと知恵を絞って)何とか売上を上げろ!」
というように、本来の趣旨が正確に伝わるのは難しいと考えたほうがベターです。
特に、経営者が指示を出した時に質問や疑問がまったく出ない時には注意しましょう。
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