変動費も忠臣蔵も常識を鵜呑みにしない
変動費も忠臣蔵も常識を鵜呑みにしない
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今日12月14日は赤穂浪士討ち入りの日。
偶然ですが、今読んでいる「逆説の日本史14 近世爛熟編」では、第1章で忠臣蔵の話題を取り上げています。
作者である井沢元彦さんの主張は
「われわれ日本人は歴史を改訂した『忠臣蔵』の物語に洗脳されている」
ということ。
有名な「松の廊下の刃傷」のシーンでも現場に居合わせた証人の日記を基に、「浅野は実は吉良の背後から、いきなり肩口に斬りつけた」
大石内蔵助が討入りの際に書いた口上書によって、「誰が見ても『傷害事件』としか見えないものを『喧嘩』だと断定している」結果、われわれは錯覚させられている
など、興味深い指摘を詳細に書かれています。
吉良上野介によるイジメが本当にあったのかどうか
浅野内匠頭は本当に名君だったのか
映画やテレビなどで馴染みの深い忠臣蔵だけに話題はつきないところです。
今年崩壊した原発神話ではありませんが、我々が「普段から知っている」「そんなことは常識だ」と思っていることの中にも、少し掘り下げてみると、事実とは違う、別の考え方があるということがあります。
例えば、変動費。
会計の本では
変動費=売上高に伴って変動する費用
と定義され、原材料費や製造費用などが変動費の代表例と言われています。
しかし、勘のいい経営者なら既にお気づきの通り、原材料費は売上高が減ってもそれに伴って減るとは限りません。
このため、間違った常識に基づいて経営判断した結果、「(売上が減っても)ギリギリ黒字は確保できると思っていたのに、 数字を締めてみると、赤字になっていた」と、後から慌てるケースもあります。
会社経営においても、
本に書かれていることや、著名人の言うことを鵜呑みにするのではなく、「ホンマでっか!?」と本質に戻って考えてみる
と、新しい発見があります。
ところで、先の「逆説の日本史」によると、
赤穂浪士の討入りについては、不法行為だという点では、多くの意見が一致したようですが、
その中でも
論理的に考えて、単に「犯罪者」だと切り捨てる説
もあれば、
人情に訴える形で、「赤穂義士」として一定の「正義」を認める説
まで、いろいろな意見があった模様です。
結局、後者の説が後世に広まっていく訳ですが、このあたり、論理だけでは人は納得しないという点は江戸時代も現代も同じですね。
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