持続的な利益につながるかどうかが判断基準
持続的な利益につながるかどうかが判断基準
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「生マグロを続けようか、冷凍ものにしようか、岩井さんだったらどう思う?」
つい先日、飲食店を経営しているクライアントさんから相談を受けていました。
経営者としてはやはり「本物の生マグロを食べてほしい」という思いはある一方、味がそれほど変わらないのなら、「採算を考えると、冷凍ものを出すのもありかなぁ」ということで悩んでおられたのです。
そうこうしている内に、一連の食材偽装の問題が発覚。
世間はまじめに悩むクライアントさんの一歩先を行っていたようです。
経営者である以上、「ここだけはこだわりたい」という一線があります。
一方で、事業を続けていくという点では、採算を考えて決断することは避けざるを得ません。
冒頭の質問、社員にも聞いてみたところ、意見はほぼ二分されたそうです。
食べ比べてみても、生マグロと冷凍マグロの違いが分かる人はごく少数で、中には「冷凍のものの方が美味しい」という人がいるのが実態です。
このため、表示の問題は別にして「冷凍ものに変えてもお客さんは減らない」という職人の意見もあったとか。
一方、「そうは言っても、今まで生マグロの味に慣れ親しんでいるお客さんが長期的に離れていってしまうのでは?」という意見も出たそうです。
私がクライアントさんにしたアドバイスは
「社長がどんな料理をどんなお客さんに提供したいかで判断されてはどうですか」
生マグロを提供し続ける
↓
採算確保のため、値上げする
↓
お客さんが減る?
かもしれませんし、
冷凍マグロに変えて値段は据え置き
↓
味の違いに気がつく
↓
お客さんが減る?
かもしれません。
一番の売れ筋である中トロをどうするかは経営者としても大いに悩むところです。
クライアントさんが最終的にどんな結論を出されたのかは来週確認しますが、決断とは何かを捨てること。
時には、経営者のこだわりを捨てることも必要ですし、目先の利益を捨てざるをえないこともあります。
しかし、最終的な判断基準は
持続的な利益につながるかどうか
ということ。
この点、食材の偽装は明らかに一線を越えています。
ところで、以前クライアントさんのお店にお伺いした際、「このマグロ美味しいですね!」と私が食べたお刺身は、お店がテスト用に仕入れていた冷凍マグロでした(汗)。
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