事業計画で差がつく時代へ
事業計画で差がつく時代へ
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「今までは事業計画なんか出さなくてもお金が借りられたじゃないですか!」
大人気ドラマ「半沢直樹」。
主人公の同期近藤さんが出向先であるタミヤ電機の社長から叱責されるシーンがありました。
経理部長の近藤さんはメインバンクの東京中央銀行の融資担当から「ちゃんとした事業計画を持ってこないとお金は貸せない」と言われます。
そこで、社長に相談すると、「事業計画なんて知らん」とソッポを向かれて板ばさみ状態でした。
ドラマの中では銀行がお金を貸さない理由は他にあったようですが、近い将来、「今までは事業計画なんか出さなくてもお金が借りられたじゃないですか!」と経営者が怒りだすシーンが現実のものとなるかもしれません。
中小企業が銀行からお金を借りる際
- 会社概要
- 決算書
- 試算表
などを銀行に提出します。
必要に応じて
- 資金繰り表
の提出も求められますが、実際には、事業計画まで提出するケースはまれです。
銀行の方も「上場企業と違って中小企業が作る事業計画はあまりあてにならない」と多かれ少なかれ思っているので、事業計画を出さなくてもあまりうるさく言わなかったという事情があります。
銀行が融資を審査する際には決算書の占める比重が8割です。
私もここの部分がそれほど大きく変わるとは考えていません。
一方で、決算書の数字に対する評価はどの銀行がやってもそれほど大きな差はでないというのも事実です。
しかし、昨今の情勢を見ていると、業況不振のために借入金の返済条件を変更してもらうには「実抜計画」と言われる実現可能性の高い抜本的な経営再建計画を提出しないとダメという傾向がより鮮明になりつつあります。
また、銀行を監督する金融庁も、一律の検査方法を改めて、銀行毎の独自の融資判断をできるだけ尊重するよう方向転換すると報道されています。
この点、事業計画は将来この会社はどうなるのかを示すものなので、
- 作り方によって差が出る
- 同じ計画であっても評価に差が出る
のです。
つまり、
同じ財務内容の会社であっても事業計画によって差がつく
という時代が近づきつつあります。
ところで、「半沢直樹」の中でタミヤ電機の担当店は東京中央銀行の京橋支店でした。
私が銀行員時代にいた支店の一つも支店の統廃合を得て、今は京橋支店になっています。
ドラマの京橋支店は半沢直樹の敵役である大和田常務が支店長を経験するなど支店長の出世コースの支店として描かれていますが、実際の京橋支店も歴代の支店長が役員になるケースが多かったです。
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