投資したお金の回収を無視して考える
投資したお金の回収を無視して考える
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「このスペース、いいですね!」
「他ではなかなかマネできませんよ」
昨日、とある貸会議室を見学させてもらった時のことです。
その貸会議室ではセミナー等を行う部屋の外に、かなり広いフリースペースがありました。
円テーブルと椅子のセットが5~6個ほど置いてあり、会議室を借りた時は自由に使えるのです。
セミナーをやる時、受付開始時間より早めに来られる方がおられます。
主催者側は、「まだ準備ができていない時にどこで待っていただくか?」というのを考えます。
まだ準備段階でバタバタしている状態を参加者に見せるのは避けたいところ。
この点、昨日の貸会議室のようにちゃんとしたフリースペースがあると、
受付開始時間まではフリースペースで待ってもらう
↓
準備ができた段階で、「お待たせしました」とご案内する
と流れがとてもスマートです。
昨日の貸会議室はビルのオーナーの直営。
説明してくれた方が「他ではなかなかマネできませんよ」と言われたのは、オーナーから賃借して貸会議室をやる場合、レンタル料をとれないフリースペースをなかなか作りづらいからです。
賃借した物件で貸会議室を運営する場合、
- レンタル料を1時間いくらにするか
- 会議室の収容人数は何名か
が鍵になります。
そして、基本的には、収容人数が多いほどレンタル料収入が増えるため、レンタル料が取れないフリースペースはできるだけ少なくするという発想になります。
もちろん、
- 投資した金額はできるだけ早く回収する
- 投資した金額を上回るよう商品やサービスを設計する
のは正しい考え方です。
けれども、それはあくまで供給者サイドに立った考え方です。
需要者の側からすると、
このサービスは使い勝手が良いか?
他の商品と比べて魅力的なのか?
が選択のポイントになります。
この点、昨日の貸会議室はビルオーナーの持つ余裕からなのか、利用者にとっては、「使ってみたいなあ」と思えるくすぐりポイントがいくつかありました。
自社の商品やサービスを考える時、
- 投資したお金をどうやって回収するか
- 投資したお金はいつ回収できるのか
は、絶対に外せないポイント。
でも、たまには、投資したお金の回収を無視して考えることも必要です。
100万円を1ヵ月で稼ごうと思うと、思いつく方法は限られていますが、
- 10ヵ月で100万円稼ぐ
- 10年で100万円稼ぐ
方法であれば無数に思いつきます。
そして、10年で100万円稼ぐ方法でやってみると、結果的には1ヵ月で100万円稼げたということもあります。
価格や数量で行き詰まったら、「時間」の観点から考える
ことはお薦めです。
どんなに忙しい時にも、頭の片隅にはフリースペースを持つよう心掛けたいと思います。
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