キャッシュフロー経営はシンプルだけど単純ではない
キャッシュフロー経営はシンプルだけど単純ではない
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「キャッシュフロー中心の経営に切り替えます。在庫削減や売掛金の回収に力を入れてください。」
キャッシュフロー経営の教科書にでも出てきそうなこのフレーズ。
誰の言葉だかご存知でしょうか?
これは約1年前に多額の利益操作が発覚した東芝の現社長が全国の拠点を訪問して社員に語りかけているものです。(「日経新聞」参照)
売上高はいろいろと操作をすれば積み上げることができます。
また、目に見えない利益も計上の仕方によって生み出すことができます。
しかし、キャッシュフローの場合。
現預金という目に見えるものを対象にするので、贋金を刷ったり、偽造通帳でも作らない限り、ごまかすことはできません。
そして、キャッシュフローを増やす要因も非常にシンプル。
- 売上高を上げて期日までにきちんと回収する
- 支出の中味を見直して、無駄な支出を減らす
- 溜まっている在庫を処分して現金化する
- 銀行からお金を借りる etc.
言われてみれば当たり前のことばかりです。
でも、この当たり前のことを淡々とやるのはけっして簡単なことではありません。
売上高に関して言えば、販売先の事情もあります。
こちらが前払いを希望しても、先方の締日の関係で入金が翌月末になることもあります。
また、20日までの支払で合意を得ていても、先方が必ずその日までに振込手続きするとはかぎりません。
この時、会社として大切なのは
誰が、何を、どこまでやるかをハッキリさせること
です。
また、
ハッキリさせるだけでなく、徹底すること
です。
特に売掛金の回収について言えば、未入金の先に督促の連絡を入れるのは、やって楽しい仕事ではありません。
昨日も業務改善に関するヒアリングをした中で「やっていて一番たいへんな仕事は何ですか?」というこちらからの質問に対して、「未入金先への督促の電話です」という回答がありました。
東芝の社長が指示した「売掛金の回収に力を入れてください」はシンプルですが、徹底するのはけっして単純なことではありません。
あなたの会社では、キャッシュフロー中心の経営という点で、
誰が、何を、どこまでやるかという役割分担が明確で徹底されている
でしょうか。
東芝も上場廃止のリスクにさらされる「特設注意市場銘柄」に指定されてから既に1年が経過。
いまだ社長自らキャッシュフロー経営の基本を説いて、その徹底を図っている段階です。
未入金先への督促など、あまり気乗りがしない仕事を現実問題として誰がやるのかを含めて、まずは自社の業務フローを見直してみましょう。
キャッシュフロー経営を定着させるためのヒントが必ず見つかります。
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