経営判断は好き嫌いで
経営判断は好き嫌いで
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
昨日リオデジャネイロ五輪のマラソン代表選手が発表されました。
今回も選考過程で、有力候補の選手が選考対象のレースに出るか出ないかで一時期いろいろと騒がれていましたが、最後は妥当な選考結果になった模様です。
アメリカでは、一つの選考レースの結果だけで一発で決めるのに対して、日本の場合は複数の選考レースがあり、タイムやその走りっぷりも評価の対象になります。
このため、時々選考のプロセスが本当にこれで良いのかというのが議論になりますね。
ところで、会社で経営者が経営判断を行うにあたっては、一つの要素だけで決めるというよりは複数の要素を総合的に検討して決めるということが多いのではないでしょうか。
- ちゃんと利益が出る案件かどうか
- たとえ利益が小さくても、次につながるものなのか
- 過去にやったことがあるのか、初めて取り組むものなのか。
- 自社だけでできるのか、他社の協力も必要なのか
そして、本当にやりたいかどうか。
会社の状況によっては、あまり乗り気がしない案件でも、資金繰りを回していくためにやらざるをえない時があります。
また、昔からのしがらみがあって、本当は断りたくても断れない仕事もあるかもしれません。
会社として取引採算を考えるのは当然のこと。
また、採算を検討する際にも、目先の利益だけでなく、将来の利益も含めたライフタイムバリューで見ていくことも必要です。
しかし、計算上は長期的に利益につながる見込みが立っても、あまりやりたくないものは結果的に長く続かないということが起こります。
つまり、いろいろな要素を検討して決断を下しても、最後は
好きか嫌いか
ということが大きく影響してきます。
好きか嫌いかで一発で判断して、やりたいことだけやるのは理想です。
でも、実際の会社経営においてはなかなかそうもいかないという現実があります。
その際には、
- やりたくないが、今期の利益を確保するためにやる
- やりたいけれど、人材がいないので、今回は断念する
というように
会社の経営判断に好き嫌いを必ず織り込む
ことが大事です。
単に利益確保のためにやるとして仕事に取組んだ場合、思った通りの利益が出なかったり、途中で嫌な思いをしたりすると、「自分の決断はどこか間違っていたのでは?」という考えが頭をよぎります。
一方で、「やりたくないが」ということを織り込んで決断した場合は、たとえ想定していた結果が出なくても、「やはり、やりたくないことをやってはダメ」と、自分の下した決断にも一定の納得がいきます。
また、「やりたいけれど」諸般の事情でやれなかったことは、それが本当にやりたいものであれば、「なんとかしてできないか」という思考が知らず知らずのうちに動き出します。
一発選考か複数選考か、アメリカ式や日本式かでなく、複数の要素+好きか嫌いかというハイブリット型の決断方法。
私も最近意識して取組んでいますが、思ったよりもブレがありません。
ちなみに私は春は好きですが、花粉は嫌いです(笑)。
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