決算の数字は変えられる?
決算の数字は変えられる?
銀行交渉では、まだ決算書第一主義という風潮が残っていますが、赤字を事実として真正面からとらえ、現在および将来に向けての流れの中で、改善状況もふまえてきちんと評価することがより一般的になれば良いなあと思います。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「決算の数字を変える」と言っても、粉飾決算のススメではありません(笑)。
しかし、「このまま決算を締めると、500万ぐらいの赤字になりそうだ・・・」という時、「銀行からの融資が出なくなる!」、「受注の際に不利になる!」ということで、なんとか赤字にならないよう決算を組むという会社も実際には多いのではないでしょうか。
同じ実態であっても「決算書」という書類の中で
- そのまま-500万円として出す
- 収益はトントンとして計上する
- +50万円の黒字にもっていく
は、いずれも可能。
会計のやり方や解釈もある程度幅があるので、多少の利益は(合法的に)操作できます。
けれども、「実質的には500万円の赤字だ」という時に、実体である数字という事実を変更することはできません。
あくまで過去は変えられないのです。
一方で、数字の意味や位置づけを変更することは可能です。
つまり、
「前期は赤字だったけれど、今期は黒字基調になっている」
「過去の問題点を洗い出して既に対策をうっているので、今期は収益が大幅に回復中」
という時には、過去の赤字は一つの通過点として位置づけることができます。
かつて、カルロス・ゴーン氏が日産自動車の業績をV字回復させた時、就任する前後の時期に構造改革やリストラを行って大幅な赤字を出したという背景があります。
そして、この大幅な赤字は、その後業績が回復する中で高い評価を受けることになりました。
これは、現在や将来を変えることで過去を変えることを意味します。
銀行交渉においては、まだまだ決算書第一主義という風潮が残っています。
しかし、難しい会計上のテクニックを使って過去の赤字をなんとか黒字にすることに多くの知恵と労力を使うよりは、赤字を事実として真正面からとらえ、現在および将来に向けての流れの中で、改善状況もふまえてきちんと評価することがより一般的になれば良いなあと思います。
このあたり、銀行によっても、また同じ銀行でも担当者によって対応が異なります。
もし、「ウチの場合はどうしたらよいか?」というご質問がありましたら、お気軽に弊社までお問い合わせ下さい。
キャッシュフロー経営の実践チェックリスト100
★「キャッシュフロー経営の実践チェックリスト100」は「こちら」をご覧下さい。
★下記のフォームにお名前とメールアドレスをご登録いただければ、最新発行分より「超キャッシュフロー経営通信」【UCF】をお送りさせていただきます。ぜひご登録下さい。