もしも林先生が銀行交渉担当者だったら
もしも林先生が銀行交渉担当者だったら
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「質問がたくさん出るとがっかりします」
今やすっかり有名になった東進ハイスクールの林修先生。
授業を終わった後、
「何か質問はありますか?」
と聞いて、たくさんの手が上がると、
「生徒が分かっていないということは
自分の教え方、伝え方が悪かったのか・・・」
と落ち込むそうです。
それだけプロ意識が高いということの裏返しかもしれませんね。
さて、私が知っているある経営者の方も
「銀行からはほとんど質問はありません」とおっしゃっていました。
複数の会社を経営されるA社長。
四半期毎に自分の会社の情報をまとめて銀行に提出されています。
以前私もその資料を見せていただいたのですが、
- 売上高、利益に関する業況分析
- 毎月の試算表
- 銀行別の借入残高推移表
といった数字に関する資料に加えて
- 各会社の課題とその対策
といったリスク対応に至るまで詳細な資料を作成されていました。
まさに上場会社並みの情報開示で、元銀行員の私が見ても、
「この資料があれば融資の申請書がすぐに書けそう!」
という感じです。
A社長曰く、「成績が良かろうが、悪かろうが包み隠さず報告しています」
すると、定期的に銀行の方から
「そろそろまたウチから借りていただけませんか?」
と融資のセールスに来るそうです。
多くの中小企業は、お金を借りたい時だけ資料を作成しますが、
資金調達に成功した後は作成した資料はほったらかしです。
そして、またお金が必要になった時、
あわててゼロから資料を作り直すということを繰り返します。
すると、どうしても不連続が起こるので、
「前回おっしゃっていたあのプロジェクトはどうなりましたか?」
「半年前の計画とだいぶ数字がぶれていますね・・・」
という疑問が残ります。
この場合、当然のことながらたくさんの質問が飛んできます。
一方、A社長の場合は定期的に情報開示しているので、銀行員も
資料を見れば疑問がすべて解消するような形になっているのです。
定期的に情報開示する会社と
お金が足りなくなった時だけ情報開示する会社
どちらがよりお金を借りやすいかは一目瞭然ですね。
ところで、林先生も一時期銀行に在職されていたようです。
完璧を目指す先生のこと、もし経営者であれば、
「質問はないでしょっ!」という資料を銀行に提出されるのではないでしょうか。
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