知ることの大切さ
知ることの大切さ
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「監査法人から指摘を受けたので、今度の売上は今お預けしている保証金と相殺させてもらいます」
取引先の副社長の一言で事態は急変。
私の勤めていたベンチャー企業は一気に資金繰りが悪化しました。
先方の主張は
ベンチャー企業の財務状況が良くない
↓
このままだと営業保証金が戻ってこない恐れがある
↓
四半期決算を締める上でも問題なので、売掛金と営業保証金を相殺しないとダメ
だと、監査法人から指摘を受けたというものでした。
差引き3,000万円のマイナスになるので、会社としては死活問題です。
その後、私は先方の本社に乗り込んでなんとか考え直してもらうよう依頼しました。
けれども、先方は、「監査法人の指摘だから弊社としても従わざるを得ない」の一点ばりです。
結果的に、翌月入る予定だった
- 売掛金1,500万円は営業保証金と相殺されて入金なし
- 以前追加で入れると約束していた営業保証金1,500万円も入金なし
となり、会社は社員の給料すら払えない状態にまで追い込まれたのです。
その後、監査法人にも勤めたことのある公認会計士の先生にこの話をしたところ、「監査法人がそういうことを言うのはおかしい!」
そこで、私はあらゆる手段を使ってその監査法人にコンタクトを図り、「あんたのところは、本当にこんな指摘をしたのか?」を探りました。
すると、しばらく経ってからその監査法人で取引先の担当者だと名乗る人から電話があり、「私はそんなことは指摘していません」
つまり、取引先である上場企業は我々に対してウソをついていたのです。
でも、当時の私は取引先の主張が「理不尽だ!」と怒ることはできても、すぐさま「あんた、それはウソでしょ!」と指摘できるだけの知識・経験がなかったのです。
私は知人の公認会計士の先生から教えてもらって初めて、「先方はウソをついているのでは」ということに気づきました。
真相はその後の調査で明らかになりました。
けれども、仮に真相が分かったところで、一度悪化した資金繰りが良くなることはありません。
しかし、先方が「監査法人の指摘・・・」と主張した時に「ウソでしょ!」とすぐさま反論できていたら、状況は少しは違っていたかもしれません。
事業を続けるためには「知る」ことが不可欠
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