資金調達は一里塚
資金調達は一里塚
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
私もベンチャー企業に勤めている時、どうやって資金調達するかについては、いつも頭を悩ましていました。
入社して最初の資金調達は半年ほど時間がかかったものの、なんとか自力で乗り切ることができました。
しかし、ある程度事業が進む一方、会社の預金残高が底をつき始めた2回目の資金調達はなかなか上手くいきませんでした。
そんな頃、資金調達のお手伝いをされているコンサルティング会社とも、いくつか接点を持ちました。
「うちは月額200万円かかりますけど払えますか?」という一言を聞いて、即刻お断りした先もありましたが、大半の会社は着手金の有無は別にして、資金調達できた金額の数%を成功報酬として支払うというものでした。
コンサル会社も、単に投資家を紹介するだけのところもあれば、事業計画書も一緒に作りますといった先もあり、サービスの内容はいろいろです。
しかし、資金調達という目的に関しては、依頼する会社とコンサル会社の方向性が同じと言えます。
また、お金が足りないから資金調達を検討している会社にとっては、資金調達できた金額の中からコンサル会社への費用を支払うという点は、先に資金負担が発生しないため、たいへんありがたい条件です。
けれども、ここで一つ「落とし穴」があります。
それは、会社にとって、
資金調達は事業を続けていくための手段の一つにすぎない
ということです。
資金調達をするまでは会社とコンサル会社のベクトルは同じです。
問題は資金調達後。
借入金であれば返済しなければなりませんし、出資であれば株主対応をしなければなりません。
会社にとっては資金調達は一里塚にすぎないのです。
調達したお金を使って、どのようにして売上を上げ、利益を積上げていくか。
その実行と検証は会社自らがやっていかなければなりません。
今回、経営コンサル会社の役員1名と事業会社の経営者が2名逮捕されました。
架空の売上を計上して不正に融資を引き出したとなると、資金調達が目的化していたとしか思えません。
また、その方法をコンサルタントの人が指南していたとすれば、成功報酬型の報酬体系の弊害が出てしまった可能性があります。
いずれにせよ、
どこにゴールを見据えて日々の活動を行うか
という視点は常に忘れずにいたいですね。
経営には越えてはいけない一線があります。
今回の詐欺事件は私自身他山の石にしたいと思います。
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