債務超過になった二大原因|キャッシュフロー経営実践講座

債務超過になった二大原因|キャッシュフロー経営実践講座

債務超過になった二大原因

債務超過になった二大原因

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

  • 手元に商品があるのになかなか売れない
  • やっと売れたと思っても値段は原価をちょっと上回る程度
  • 急に社員が退職
  • 赤字が続いているので、これ以上銀行から借入するのは無理

そして、決算を締めてみると、ついに債務超過に・・・。

6期を終えて債務超過に

キャッシュフロー経営の基本

これは先月参加した勉強会でやったマネジメント・ゲームでの結果です。

2日間で6期(6ゲーム)ほどやったのですが、
最後は残念な結果に終わってしまいました。


このゲーム、資本金3百万円からスタートして社員を雇い、
広告宣伝や研究開発をしながら材料を仕入れ、製造、販売するというものです。


5~6人が一つのグループになり、順番にカードをめくっていきます。

そのカードに書いてある内容によって、商品を販売材料を使って商品製造
営業マン採用などを自ら選択できる形です。 

実際の会社経営より単純化されていますが、
経営者が考えるべき必要最小限の要素はかなり盛り込まれています。


実際に商品を売る市場も、例えば販売価格の目安は競争が激しいので、
東京<札幌ですが、販売できる数量は、東京>札幌というように
条件が予め決まっています。

また、ある市場に商品を売ろうと思っても、他に競合がいる場合は
入札で一番低い価格を出した人から販売することができます。


このため、必ずしも自分の希望通りには商品が売れるとは限りません。

どの市場に何個、いくらで売るかが一つの鍵になっています。


一方、1取引毎に取引内容を資金繰り表に記入します。

このため、手元にいくらお金があるか常に分かる状況になっています。


では、なぜ、私の経営する会社は債務超過になってしまったのか

振り返ってみると、「失敗したなぁ」と思われるポイントがいくつかあります。

その中には実際の会社経営や資金繰りに参考になる事項もありました。

高い視点から周りをチェックする

6期を終えた時点で債務超過になってしまったマネジメント・ゲーム。

ゲームをやる時の一つの特徴として、ゲーム中は全員立って参加する
ということがあります。


真ん中にルーレットのようなものがあり、それを囲んでゲームをします。

そして、各人毎のシートがあって、在庫はどのくらいあるか、
研究開発にいくら投資しているか、セールスマンは何人いるか
という状況が常に分かるようになっています。

また、各社が1取引毎に資金繰り表に記入して自社の手元残高を計算するので、
知ろうと思えば、他社の財務状況も覗ける状態でゲームを行います。


もちろん座ってゲームに参加しても良いのですが、
他社の状況を確認するためには立った方が有利。

このため、ゲーム中は全員立っているのです。


そして、私の会社が債務超過になった要因の一つは、
このゲームの特徴を活かせなかったことにありました。

競合分析を怠たると

今回ゲームに参加したのは私を含めて全部で6名。
私以外は全員何回もそのゲームをやっているツワモノ揃いです。

単純化のため、扱う商品は1種類ですが、いわば、私の立場は、
既に大手企業が進出している分野にのこのこ参入してきた素人経営者
だった訳です。


他の企業を見ると、大量仕入、大量販売する会社、研究開発に熱心な会社、
広告宣伝に力を入れる会社など様々。

各社ともいろいろと戦略を練って市場に参加しています。


このゲームも、現実の会社経営と同じく売れてなんぼの世界。

市場に売りに出すタイミングで、いかに高く、いかに多く売れるか
が会社の収益に直結します。


この時、多くのケースではいわゆる入札制になるのですが、
いろいろとルールがあります。

例えば、「研究開発に多く投資している方が有利な価格で販売できる」
「セールスマンの数が多い方がより多く販売できる」といった具合です。


入札になった時、競合相手がいくらの価格を提示するかは
蓋を開けてみるまでは分かりません。

しかし、相手のシートを見ていると、
自社は他社と比べて価格競争力があるかどうかはある程度分かります。


また、他社が在庫をたくさんかかえている場合には、
「おそらく在庫処分したいから、かなり安い価格で投売りしてくるのでは?」
といった推測も成り立つ訳です。


つまり、競合分析をやることで自社の販売戦略を立てることが可能なのです。


しかし、残念ながら初参加の素人経営者である私は、ゲームのルールを覚える
ことや、自社の資金繰り状況をチェックすることだけで精一杯。

他社の状況を確認して入札価格や販売数量を決める余裕はありませんでした(汗)。

そして、たまに販売チャンスが巡ってきても
ことごとく入札で負けるという結果になったのです。


これはたまたまゲームでの出来事でしたが、
やはり売れない状態が続くというのはかなり精神的にもきついもの。

現実の世界はより複雑で、最低限必要な競合分析をやらないと痛い目にあう
というのを改めて思い知らされました。


さて、この要因は売るチャンスがあるだけまだ良かったですが、
実は売るチャンスすらなかったという事象もありました。

黒字化が転落の転機に

振り返ってみると、初めて黒字になった第3期がターニングポイント
になっていました。


初参加で不慣れだったものの、やっていくうちにだんだんと
ゲームのコツが分かってきます。

そこで、手元の資金繰りを勘案しつつ私はいわゆる「手堅い」経営を心がけました。


支出を抑えるために、

  • 雇用する人員も最小限に
  • 在庫は極力減らす
  • 研究開発も最低レベル
  • 広告宣伝はまだやるべき段階ではないと判断   

また、販売する時も、

  • 無理な入札には加わらない
  • 大量販売はしない    などなど。



その結果、少額ながらもようやく黒字を達成

「よし次からも頑張るぞ」と思って第4期目に臨むと、
なんだか様子が少し違っています。

  • 市場では以前よりも売買が活発になっているのに、手元には売るべき在庫がない
  • たまに、タイミングよく在庫があっても、入札でことごとく負ける
  • あせって追加の設備投資や研究開発を行ってもなかなか他社に追いつかない・・・

結局、ゲーム全体としては3期目以前より盛り上がってきているのに、
当社はなすすべなく指をくわえて黙って見ている状況になってしまったのです。


その結果、4期目は大幅な減収減益。

黒字の定着どころか、一気に危険水域に達してしまったのです。

先行投資を怠る

私の失敗は手元の資金繰りを気にするあまり本来やるべき

先行投資を怠った

ことにあります。

「手堅い」経営と言えば聞こえは良いのですが、実態は、
「弱気」の経営「近視眼的」経営だったのです。


この場合、1~2年なら表面上は問題もなく、なんとかやっていけるかもしれません。

しかし、中長期的なスパンで見た場合、必ずそのしっぺ返しが来ます。


実際今回のゲームでも、他社は3期目までにいろいろと先行投資をやっていました。

その差は最初は小さいので、あまり実感が湧きませんでした。

しかし、4期目以降その差は如実に現れてきたのです。


実際、現実の世界においても、「我が社の資金繰りは大丈夫」
と社長がおっしゃる会社の中に、将来に向けて先行投資をやっていないので、
「表面上」の資金繰りは問題ないという場合があります。


もちろん、目先の資金繰りも大切ですが、

会社が将来に向かって存続していくために今何をやるべきか

ということも大事なポイント。

先行投資は資金的に少し余裕がないとなかなか実行できないだけに
常に頭の片隅に入れておかなければなりません。

キャッシュフローの分析は最初の一歩にすぎない

  • 競合分析を怠る
  • 先行投資を怠る

私が6期目で債務超過に陥った要因は、この二つに集約されます。

そして、対応が後手に回ると後から頑張ってもなかなか挽回することが難しい
のを体感できました。


ゲームの中とはいえ、
「会社の業績が落ち込むってこういうことなのか」
という点では、現実の世界とそう大差はない気がします。

キャッシュフロー経営ではキャッシュフローを分析するだけではダメ。

その分析を踏まえて、次の一手をどう早めに打つか
今期の業績と来期以降の見込みが変わってきます。


たとえ、黒字化でき、キャッシュフローが改善してもそれは過去の蓄積。

そのお金を経営者が自ら仮説を立てて、有効に活用できるかどうか
が将来の鍵を握っています。


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Tag: 債務超過 競合分析 先行投資

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