経営者がお金を自らコントロールする経営を目指す理由
経営者がお金を自らコントロールする経営を目指す理由
ベンチャー企業の資金調達から会社設立へ
ヒーズ株式会社代表取締役の岩井徹朗です。
私は「超キャッシュフロー経営」を通して、経営者がお金に影響されずに、自ら経営をコントロールすることを目指して日々活動しています。
そして、これは弊社の設立経緯とも深く関わっています。
私の仕事は経営コンサルティングです。
ところが、商業登記簿謄本を見ると、目的事項の第1は電子機器の設計開発、技術支援及び販売業務から始まって、第2はソフトウェアの設計開発及び販売業務、第3は通信事業法に定める電気通信事業とあり、4番目にようやく経営コンサルタント業務とあります。
実は、この会社の目的事項の第1から第3は前の勤務先であるベンチャー企業のものを踏襲しています。
私は銀行員として社会人生活をスタート。転職後は総務部長として今の楽天銀行を開業させました。そして、3社目がGPSの企画開発を行うベンチャー企業でした。
入社して最初の仕事は資金調達。
半年かかりましたが、ベンチャーキャピタルからの出資を中心に2億円を集めることができました。
そして、GPSとコンピューターを組み合わせることで、子供の見守りサービスや新しいカーナビなどの事業に毎日遅くまで取り組んでいました。
その後、ようやく受注できたのが、ある地方都市のバス運行管理システムの仕事です。
採算的にはギリギリの案件でしたが、
「このプロジェクトを成功させることで、もう一段高いステージへ行ける」
そう信じて全社員でこの仕事に取り組んでいました。
しかし、信頼していたパートナー企業に途中でハシゴを外され、会社の資金繰りが一気に悪化。
取引先への支払はおろか、社員の給料も滞る事態に陥ってしまいました。
「この状況をなんとか打開したい」
けれども、まだ赤字が続いているベンチャー企業で、しかも、一世一代の大型プロジェクトが頓挫しかかっている会社にお金を出してくれる先はありません。
そこで考えたのが新しく会社を作って外から会社を立て直すという方法です。
そして、私が全額出資する形で会社を作ることにしました。
設立前は
「今進めているGPS事業をなんとか成功させたい」
という気持ちだったので、会社の目的事項も勤務先のものとできるだけ合わせる形にしたのです。
お金は人を狂わす
けれども、日に日に資金繰りは悪化し、取引先や税務署、社会保険事務所から支払を督促する電話が毎日のようにかかってきます。
そして、勤務先の社長もだんだんと目つきや人相が変わってきました。
「実態をゼロベースで洗い直して対策を考えましょう」
と提案しても、
「そんなことは時間のムダだ」
と一喝され、
「こちらの信頼を裏切ったパートナー先に今さら資料を出しても敵に塩を送るだけですよ」
と忠告しても、
「大丈夫だから」
と取りつくしまもありません。
そして、ある日、
「こうなったのはお前がちゃんとしてないからだ!」
と怒鳴られ、私の気持ちは完全に切れてしまいました。
このため、会社の設立登記が出来上がってきた頃には、
「もうこの人と一緒にやるのは無理」
と気持ちは勤務先からすっかり離れていたのです。
11年前はできませんでした
退職の挨拶を兼ねて当時お世話になった方々をお伺いした時、ある株主の方から
「岩井君が経営者としてやったらどうなの」
と言われました。
しかし、その時の私は
「私には無理です」
としか答えられませんでした。
そうです、正直自信がなかったのです。
私が前職を辞めて、会社を作ったのは2006年。今からちょうど11年前です。
- 前の勤務先はなぜ資金繰りが悪化したのか。
- 優秀な経営者はなぜ豹変してしまったのか。
- そんな状況を未然に防ぐ方法はなかったのか。
11年間、小さいながらも会社の経営者としてやってきた経験を踏まえて、冷静に過去を振り返ってみると、これらの問題に対する答えをすべて私は持っています。
そして、前職のような会社を1社でもなくすために必要なのが「超キャッシュフロー経営」です。
11年前は
「私には無理です」
が私の回答。
しかし、今なら自信を持ってこう言います。
「私ならできます!」
リスクをきちんと把握しながら、先手先手で打つべき手を着実に打つ。
そんな会社を一社でも多く増やしたい、という思いで日々の業務に取組んでいます。
ヒーズ株式会社
代表取締役 岩井徹朗
100の実践チェックリスト
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Tag: キャッシュフロー経営 資金繰り 経営者