しくじり先生のストーリー戦略から学ぶマーケティング
しくじり先生のストーリー戦略から学ぶマーケティング
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「しくじり先生」というテレビ番組をご存知でしょうか。
テレビ朝日のバラエティ番組で芸能人やスポーツ選手が自分の過去の失敗談を話し、「俺みたいになるな」という教訓を先生として教えるという展開です。
しくじった内容は
- 世の中を舐めすぎて大失敗(堀江貴文先生)
- ゴーストライターを断れなかった(新垣隆先生)
- 子役で大成功して金銭感覚が崩壊(内山信二先生)
など、多種多様でいろいろと示唆に富んでいます。
私もたまたまホリエモンこと堀江貴文先生の放送回を見て、「けっこう面白いかも」と思った記憶があります。
そして、今週の月曜日、帰宅してテレビをつけると、歴代のしくじり先生が集結する「しくじり先生2015」なる特別番組が放映されていました。
既に番組も終わりの方で、オリエンタルラジオの中田敦彦さん選出の中田賞と2015年しくじり先生大賞を選ぶという段階になっていました。
まず、中田賞に選ばれたのは
第3位:堀江貴文先生
第2位:内山信二先生
第1位:辺見マリ先生
第3位の堀江先生の回は私も見たことがあり、確かに面白かったです。
第2位の内山先生の回は見ていませんが、ネットで「かなり良かった」「内山君もやるね」といった評価を見たことがあります。
そして、第1位の辺見先生。
この放送も私は見ていないのですが、洗脳者に騙されて大金を使ってしまう話で、見ていた家内曰く「あれはすさまじかった」そうです。
そして、栄えある(?)大賞に選ばれたのは、なんと、まだ放送されていない経済アナリストの森永卓郎先生でした。
私はこの一連の流れを見た時に「このシナリオはスゴイ!」と思いました。
中田賞に選ばれた3人は、いろいろな評判から推察するに、番組としてもかなり面白くて評判の高かった先生だと思います。
だから、普通に大賞を選ぶのであれば、おそらくこの3人のうちの誰かが選ばれたのではないでしょうか。
でも、それをどうやって順位付けするかは見た人の価値観によるので、甲乙つけがたいところです。
もしかすると、気が弱くてなかなかNOと言えない人は選ばれた3人ではなく、新垣先生の方に共感するかもしれません。
だから、この賞はあくまで中田敦彦さんという個人が選んだという形にしています。
そして、大賞に選ばれたのは、いろいろといわくがあって、収録されているにも関わらず、4ヵ月も放送されていない人。
しかも、それを来年の正月に放送するというおまけつきです!
一連の流れを整理すると
今年放送された中で、評判の高かった人が3人いた
↓
3人は大賞ではなく、個人からの特別賞という形で表彰
↓
未放送分を大賞として表彰
↓
未放送分を正月の特別番組で放送
となります。
会社の経営戦略を練る際に、よく
ゴールから逆算してやるべきことを考える
ということが言われます。
先の番組の件で言えば、おそらく、未放送分をどうやって活用するか、もしくは、未放送分を正月番組で放送するが、どうやって盛り上げるかが、番組スタッフに課せられた課題です。
その課題をクリアするために、直前に放送される番組で何をやるのかを考えた結果が大賞の授与。
そして、そんな放送もされていない人に対する大賞の授与でも文句が出ないようにするための対策が個人賞という名を借りた実質的な大賞の授与です。
あくまで、これは私の勝手な推測(妄想)です。
でも、当たらずと言えども遠からずではと考えています。
そして、このように考えていくと、バラエティ番組も
- ちょっと訳あり商品をどうやって売るか?
- 多くの人が納得いく形の評価方法とは?
- 商品を知ってもらうために、事前に打つべき手は?
というヒントがたくさん隠れています。
2015年、あなたの周りでもいろいろなストーリーがあったかと思います。
その一つひとつの出来事にも必ずなんらかの意味があります。
そして、その意味づけは自分の自覚次第でいかようにも活用できます。
2016年はどんなゴールを設定し、そのゴールに向けてどんなシナリオを描くのか。
よく練られたストーリーは人を引き付ける魅力があります。
せっかくの機会なので、年末年始で2016年の自分なりのシナリオをぜひ作ってみていただければと思います。
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