お金に関する感性を磨いて、冷静にお金と向き合う
お金に関する感性を磨いて、冷静にお金と向き合う
お金に関する感性を磨いて、本当に必要な支出とそうでない支出を見極める、いつ、いくらの入金があるのかをきちんと把握し、計画と実績のぶれをできるだけ少なくする、というのは、日頃から意識して行動すれば、だんだんとできるようになります。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
8年前ベンチャー企業で勤めていた時のこと。
資金繰りが厳しくなってきて給料は未払い。取引先からは「先月に請求した分がまだ入っていません」という督促の電話がひっきりなしにかかってきます。
一方で、仕掛り中のプロジェクトの納期は次から次へと迫ってきます。
今思い出しても暗い気持ちになります。
会社にお金がないとろくなことはありません。
ただ、一つ良かったと言えることは、お金に対する感性が鋭くなったことです。
わずかなお金しかないので、当然のことですが、無駄な出費は極力抑えるようになります。
お金に余裕があると、
「面白そうだから買ってみよう」
「もしかしたら将来役に立つかも」
と、ついつい財布の口も緩みがちです。
けれども、お金に余裕がないので、
「これって本当に必要なものなのか?」
「10,000円払う価値はあるのだろうか?」
「今手元にあるもので代用できないのか?」
と考えて支出に対する判断基準が厳しくなります。
また、普通の時は
「まあ、今月末までには入金あるでしょう」
「来週中には結論が出ると思うけど・・・」
と、お金がいつ入るかについてもまだ詰めが甘い状態でした。
しかし、資金繰りが逼迫してくると、
「300万円は月末の朝一で入りますよね?」
「この書類を出せば、週明けの月曜日には回答がもらえますか?」
「全額が難しければ、せめて半分だけでも先にいただけないでしょうか?」
というように、いつ、いくらのお金が入るのかについて一つひとつ細かく詰めるようになりました。
お金という現実に真正面から向き合うと
- 今手元にいくらあるのか
- 今月中にはいつ、いくらの入金があるのか
- 来月までにいくらの支出があるのか
というリアルの世界の話になります。
この時、
「もし交渉中の契約が決まったら」
「銀行が500万円を追加で融資してくれれば」
というようなタラ、レバの話はあまり意味がありません。
地に足をくっつけて、人からどんな非難を受けようが、薄っぺらいプライドなどかなぐり捨てて、しゃにむに厳しい現実とがっぷり四つに取組む以外に打開する道はないのです。
正直精神的にもかなりきついです。このため、こんな厳しい環境を長期間に渡って続けていけるタフな経営者は極めてまれです。
でも、お金に関する感性を磨いて
- 本当に必要な支出とそうでない支出を見極める
- いつ、いくらの入金があるのかをきちんと把握し、計画と実績のぶれをできるだけ少なくする
というのは、日頃から意識して行動することでだんだんとできるようになります。
人は痛い目にあうと、その苦痛から逃れるために行動することができます。しかし、中小企業の場合、その痛い目が致命傷になることもあります。
「経営者はいろいろと苦労したほうがいい」という先輩経営者もおられます。
でも、「苦労したほうがいい」と言う経営者はその苦労を乗り切るだけの運や能力があったからそう言えるのです。
私の基本的なスタンスはできることなら苦労は避けたほうがいい。
お金に苦労しなくてもお金に対する感性を磨く方法はあります。
超キャッシュフロー経営とは、口座残高に経営判断が影響しない経営のことです。
単に資金繰り表を作る、予算管理をするという意味でのキャッシュフロー経営ではありません。
経営者がお金に関する感性を磨き、お金に対していつも冷静に向き合える安定した状態を維持することで、会社の着実な成長につなげることを目指します。
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Tag: お金に関する感性 キャッシュフロー経営 資金繰り