ウソの資金繰り表がひとり歩きする|キャッシュフロー経営実践講座

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ウソの資金繰り表がひとり歩きする

ウソの資金繰り表がひとり歩きする

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

ウソの資金繰り表がひとり歩きする

「やはり、ここは半年以内で返してもらうように」

申込みのあった融資案件を社内で審査している時、上司や本部からこんなことを言われたことがあります。

取引先が作った資金繰り表によると、50万円ずつしか返済できないのに、貸付金を早めに回収するために100万円ずつ返済するよう指示を受けるケースです。

  • 最近業況が悪化している
  • 融資金額に比べて、担保の金額が小さい
  • 借入金の返済が遅れたことが過去にある

といった時に、銀行は貸付金をできるだけ早く回収したいという意向が働きます。

このような時、毎月の返済額を増やして返済期間を前倒しすることがあるのです。


本来毎月50万円ずつしか返済できない会社が月に100万円を返済すると、またお金が足りなくなります。

けれども、多くの取引先では、目先の資金不足を解消するために、銀行員の指示に従って資金繰り表を作り直し、100万円ずつ半年間で返済するウソの資金繰り表を作成して、借入するのです。


この点、銀行員として働いている時は、「融資案件を通すためには仕方がない」ということで割り切って対応していました。

けれども、今、会社側に立って、資金調達のお手伝いをしていると、「なんとかならないかなあ」と頭を悩ますポイントの一つです。


資金繰り表の場合、あくまで将来の計画を書くために、本来なら返せない返済計画であっても、粉飾とは言いません。

けれども、怖いのは、ウソの資金繰り表がひとり歩きすることです。

つまり、会社側がお金を借りるためにやむなく認めた無理な返済条件であっても、いったん認めた以上、会社が「これで返せます」と合意した返済条件になります。


このため、いったん借入した後、無理な返済条件のために、再びお金が足りなくなって融資の申込にいくと、「どうしてまたお金が足りないんですか?以前に提出された資金繰り表と違うじゃないですか!」と言われることがあります。


特に、転勤などで銀行の担当者が代わっている時は注意が必要です。

銀行員の引継ぎは書類をベースに行われるので、会社がいやいや認めた資金繰り表が新たな基準となります。


次回は、保証人の件についてお話します。


なお、ウソの資金繰り表への対応策については、別の機会にお話したいと思います。パワハラ(?)に対抗するには知恵と工夫が必要です。


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Tag: 資金繰り表 返済額 返済期間 返済条件

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