売上予測は加減乗除が基本
売上予測は加減乗除が基本
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今週初め、クライアントさんから今月にお振込いただく金額の計算書が送られてきました。
着手金分を除くと3ヵ月に1回の精算で、金額の計算方法については契約書に定めています。
しかし、スタート当初は金額の捉え方の点で、多少双方に認識の違いがありました。
このため、先方の計算した数字と当方の予想した数字に差が出ることがあったのです。
でも、精算も今回で3回目。
先月こちらで出した数字と先方の計算書の数字が一致。
やはり、数字が一発で合うというのは気持ちがいいものです。
資金繰りの中でも、特に売上の予想はいろいろ変動要因が重なるため、一筋縄ではいきません。
先のクライアントさんの例で言うと、当方に振込まれる金額は、元金×利率×期間で計算されます。
例えば、仮に
元金=1,000,000円
利率=3%
期間=3ヵ月
とすると、振込金額は
1,000,000円×3%×3ヵ月/3ヵ月=30,000円
です。
しかし、現実には元金、利率、期間が変動するため、振込の前に双方で金額をチェックしているのです。
資金繰りで面倒なのは、やはり将来の売上予測の立て方です。
そこで、私がお薦めしているのは
中学生が分かるレベルの数式
です。
また、
数字を出す際の考慮すべき項目は3つ以下がベスト
と考えています。
どんなに緻密に計画を立ててもしょせん計画は計画。
必ずしも、予想した通りの数字にはなりません。
前述の計算でも、元金、利率、期間という3要素が、それぞれ3ヵ月毎に変化します。
特に利率は毎回変動します。
この点、利率の算出方法を計算式に組み込むこともできなくはありません。
けれども、仮に利率が予想通りであっても、元本が変化すれば、結果的にもらえる金額も大きく変わります。
このため、利率の計算式を盛り込むと、かえって複雑になって、手間ばかりかかるだけなので、弊社で資金繰りを見込む際には、
10~12月:3%
1~3月:5%
と一定の数字を置いて計算し、計画を立てています。
以前、ある取引先で事業計画書を見せてもらった時、「回帰分析」という複雑な式を使って売上予想を立てておられました。
おそらく、数学が得意な経営陣が緻密に分析されて出された計画
だったのでしょう。
けれども、その後、その事業は計画とは大きく乖離した成績でした。
特に理系出身の経営者の方には、複雑な計算式を駆使してスゴイ事業計画を作られる方もおられます。
しかし、ポイントは
計画と実績を振り返る時にどの要素が予想と違っていたのかを簡単に特定できること
です。
この点、特に中小企業の場合、
- 使う算式は加減乗除の4つ
- 計算に使う項目は3つ
に絞った方が結果的には効果が高いと考えています。
会社が資金繰りや事業計画を説明する主な相手先である銀行員。
私と同じく、文系出身者が多いので、足し算や掛け算で出した数字はきちんと理解できて上司や審査部もしっかりと説得できるけれども、微分や積分が入ってくると、なかなか社内で説明しきれないことが多いという現状もあります。
数字の予想はシンプルにを心掛けましょう。
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