週刊文春から中小企業の経営者が学ぶべきこととは?
週刊文春から中小企業の経営者が学ぶべきこととは?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「向かうところ敵だらけ」
「文春砲」で何かと話題の週刊文春。
その編集長である新谷学さんにお話をお聞きする機会がありました。
冒頭の言葉は新谷編集長が編集部のスタッフに向けて、繰り返し話されているフレーズの一つです。
週刊文春と言えば、芸能人の不倫問題スクープ記事などがマスコミを賑わせていますが、芸能人であれ、政治家であれ、スクープされた側からすれば、触れてほしくない事実を世の中に曝露される訳で、気持ちの良いものではありません。
このため、当然「敵」も増えることになります。
しかしながら、そこをめげずに真相に切り込めるかどうか。
そこで、新谷編集長は、スタッフに対し、スクープを出すことを仕事の最優先事項するとして常に強調しているとのことでした。
それゆえ、「なぜ、週刊文春はなぜスクープを連発できるのか?」という質問に対しては、「それは、常にスクープを狙っているからだ」と回答されているそうです。
つまり、一見すると、すごく単純な話になります。
けれども、そこに至るプロセスはかなり複雑です。
冒頭の言葉にも象徴されるように、スクープの対象にした人からはやはり嫌われます。
人は誰でも、他の人から嫌われるのは、よい気持ちはしません。
このため、「これを記事にすると、あの人に怒られるなぁ」と思えば、普通は筆が止まるものです。
それでも、最優先事項であるスクープを出すという仕事に前向きに取組めるかどうか。
実際のところ、いろいろと大人の事情があるため、たとえ真実が判明しても、それを記事にしないマスコミも多数ある模様です。
また、過去のスクープ記事が出るまでのいきさつも、いくつか教えてもらいましたが、各記者の方々は相当な努力を重ね、すさまじい修羅場を経た上で、記事を作っておられました。
いろいろとお話をお伺いして、よく分かったのは、常にスクープを狙っているから、スクープを連発できるのは、言うほど簡単ではなく、実現するには相当な胆力と努力がいるということです。
つまり、提供している価値(=スクープを出す)はシンプルだが、そのプロセスは極めて複雑であるという訳です。
実際、新谷編集長は、ベストセラー「ストーリーとしての競争戦略」の著書である楠木建さんとの対談で、「週刊文春は『最強のビジネスモデル』ですね」と指摘されたそうです。
提供している価値がシンプルだと、他もマネしようとします。
しかし、その価値を提供するプロセスが複雑で面倒だと、なかなか他はマネできません。
我々のような中小企業の経営者が週刊文春から学べることは
- 提供する価値はできるだけシンプルに表現する
- 価値を提供するまでのプロセスはできるだけ複雑にする
ということです。
提供する価値をシンプルに表現できたら、社員にも理解され、仕事に取組む姿勢も変わってきます。
また、価値を提供するまでのプロセスが複雑で面倒だと、競合他社の数を自然と減らすことができます。
「ウチがやっているのは『これ』です!」と分かりやすく、社内にも社外にも発信できるかどうか。
そして、「もし、やれるものならどうぞやってみてください!」と自信を持って宣言できるかどうか。
売れているのにはそれ相当の理由があるということを改めて実感した2時間でした。
★会社が提供する価値をシンプルに伝えるためには、「こちら」もご参照ください。
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