トラブルは業務改善の成熟度を計る絶好のチャンス
トラブルは業務改善の成熟度を計る絶好のチャンス
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
先日、朝から自宅のインターネットが突然つながらなくなりました。
結論から申し上げると、原因はマンションの回線の問題だったのですが、この一件である気づきがありました。
インターネットがつながらない時、まず試してみるのがモデムの再起動。
電源を入れ直すことで、すぐにつながることも少なくありません。
しかし、今回は何回かやってみても、また、しばらく時間を置いてやってみてもダメ。
正常な状態であれば光るランプが点滅したままです。
そこで、携帯電話回線を使ってインターネットに接続し、契約しているプロバイダーの障害情報を確認しました。
しかし、特に該当するようなトラブルは発生していません。
そこで、やむなくプロバイダーに電話しました。
状況を一通り説明し、「一応こちらでできることは一通りやってみたのですが」と話したところ、「では、○○をクリックしていただけますか?」と、今まで触ったことのないところをチェックするよう指示されました。
実は過去にも何回か、このコールセンターに連絡したことがあります。
その時も、たいていこちらもできる範囲のことはやっていて、その旨も説明していたとしても、「ケーブルはちゃんとつながっていますか?」「もう一度、モデムを立ち上げ直していただけますか?」と、既にやったことを再度やらされていたのです。
一刻でも早く問題を収束させたい当方からすれば、「だから、それは既にやったってばぁー!」と言いたいところです。
けれども、マニュアル通り、杓子定規な対応を迫られたのです。
ところが、今回の対応。
「一通りやってみた」というこちらの言葉を信じてもらえたのか、初歩的な確認動作は指示せずに、別の確認方法を提示してきたのです。
トラブルが起こった時に大事なのは、原因をできるだけ早く特定することです。
そのためには、手順を飛ばさずに、一つずつ確認していくプロセスを踏むことが求められます。
解決することだけに重点が置かれると、適当にやっていても、たまたま早く原因が分かるということがあります。
しかし、それは偶然の一致であって、別のトラブルが発生した時に応用が効くとは限りません。
だから、トラブルが起きた時に
どの順番でどの項目をチェックするのかを予め決めておく
ことがポイントです。
一方で、できるだけ早くという点ではスピードも求められます。
この点で言えば、プロバイダーの対応として、一度試した手順をもう一度確かめさせるというのは、無駄なチェックを再び行うという点で問題の解決スピードを遅らせることになります。
不特定多数から問い合わせがくるコールセンターの場合は、「そもそも電源が入っていませんでした」というような初歩中の初歩とも言えるケースもあります。
このため、多少無駄になっても、一から順番に再確認するというのは、やむを得ないかもしれません。
けれども、社内におけるトラブル対応の場合、何回も同じ項目をチェックするのは時間のムダです。
だから、トラブルの早期解決を実現するためには
どの順番でどの項目をチェックするのかを予め決めておく
とともに
どの項目がチェック済みかを明らかにしておく
ことがポイントになります。
前者の場合は、予め準備ができます。
しかし、後者の場合は、問題が起きた時に、部門間や社員間でスムーズな意思疎通ができるかが問われるので、実践の中で業務改善していく必要があります。
トラブルは誰だって嫌なものです。
けれども、対応の仕方によっては
トラブルはより良い会社を実現するためのチャンス
にもなります。
少なくとも、契約しているプロバイダーさんは、前よりも対応が着実によくなっていたのを感じました。
あなたの会社ではトラブルを業務改善につなげられているでしょうか?
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