キャッシュフロー経営の定着には3年必要
キャッシュフロー経営の定着には3年必要
キャッシュフロー経営の本質を社員に浸透させるには一定の期間がかかります。「ダメだ!」と諦めるのは簡単。「いつかは」「もしかすると」という期待をこめつつ、小さな成長の芽を見つけましょう。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今日は七夕。
七夕と言えば、短冊ですが、3年前、当時小学1年生だった甥っ子は、七夕の短冊に「バナナ10本食べたい」と書いていました。
果物好きなので、「バナナを食べたい」はなんとなく分かります。
でも、「なぜ10本なのか?」はしばらく謎のままでした。
そして、甥が「二桁の数字になると計算ができなくなる」という事実が分かってようやくその謎が解けました。
実は彼は算数が苦手。
足し算、引き算は自分の指をフルに使って計算していました。
このため、二桁の数字の計算になると、とたんに計算間違いが多くなっていたのです。
つまり、彼にとっては「10=理解できる最も大きい数」であり、「バナナをできるだけたくさん食べたい!」という希望が「バナナ10本食べたい」という表現になったものと思われます。
さて、そんな甥っ子はその後も「忙しくて宿題をやる時間がなかった」と、今一つ勉強にやる気がありませんでした。
しかし、最近になって突然「工学部に行く」と言いだして勉強を始めました。
どうやら、一番仲の良い友達のお父さんが大学の先生だったこと、そして、その友達もお父さんの跡を継いで学者を目指していることに大いに刺激を受けた模様です。
いつも通りの気まぐれなのか、ようやくお尻に火がついたのか。
今のところはまだよく分かりません。
けれども、最近はあんなに夢中だったゲームでも全然遊ばなくなり、少なくとも以前よりは勉強量が格段に増えているそうです。
このように、子供はちょっとしたことがきっかけで勉強が好きになったり、熱中するものができたりします。
私が歴史が好きになったきっかけは大河ドラマと高野山にあります。
年齢で言えばおそらく今の甥と同じくらいの頃、NHKの大河ドラマで「国盗り物語」をやっていて、戦国時代の織田信長や明智光秀がたいへん魅力的に描かれていました。
そして、たまたま旅行で高野山に行った時に明智光秀のお墓の所で「お墓の石にひびが入っているのは、彼が主君を裏切ったからだ」という話を聞いて、「え、そうなの?」と感じたことが歴史に興味を持った最初の出来事でした。
子供の場合は、3年、5年、時には10年、15年という単位で成長を見守ることができます。
また、歴史が好きになったと言っても、私自身歴史学者や作家になった訳ではありません。
けれども、ちょっとした偶然をきっかけに視野が広がったのは、その後の人生にも少なからず影響を与えている気がします。
一方で、会社の場合。
社員の成長を5年、10年という単位で見守ることは少ないのが現状です。
また、売上高や契約数といった数字は簡単に評価できるものの、人としての内面的な成長や感性の豊かさなどは評価が難しいのが普通です。
会社では長くても3年、時には1ヵ月ぐらいで「彼はダメだ!」という評価を下してしまいます。
3年前10個以上の数があやふやだった甥っ子は大好きだったゲームもやらずに勉強をやり始めました。
「ダメだ!」という評価はいつでも下せます。
けれども、「もしかしたら」という期待を持ち続けないと、小さな成長の芽を摘んでしまうこともあります。
キャッシュフロー経営の本質を社員に浸透させるには一定の期間がかかります。
「ダメだ!」と諦めるのは簡単。
「いつかは」「もしかすると」という期待をこめつつ、小さな成長の芽を見つけましょう。
戦国時代を最終的に治めたのは「鳴くまで待とう」の徳川家康。
キャッシュフロー経営の定着を目指して会社を統治する社長に求められるのも「忍耐」なのかもしれません。
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