時間は平等ではない|キャッシュフロー経営実践講座

キャッシュフロー経営実践講座

「時間」は平等ではない

「時間」は平等ではない

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

時間は平等ではない

中小企業と大企業を比べると、いろいろな点が違います。

売上高、資本金、社員数、営業力、信頼感・・・。


業績不振のシャープが減資して資本金1億円になると
中小企業になるとかならないとかが最近話題になりました。

資本金の金額だけで大企業か中小企業かを区分するのは
違和感がありますが、いずれにせよ、経営資源という点では
中小企業は大企業に比べると圧倒的に不利です。


そんな中でよく言われるのが、
「時間」は中小企業も大企業も平等である
ということ。

たしかに1日24時間というのは中小企業も大企業も同じ。

与えられている条件はどちらも同じです。


一方、大企業の場合、決裁をもらうのに印鑑が10個必要であるのに対し、
中小企業の場合、社長の鶴の一声で方針が決まるので、
スピード感では中小企業の方が勝るという側面があります。

この点、与えられた時間が同じでも
スピードの速い方が時間を有効に活用できるので有利です。


しかし、長期戦になった場合はどうでしょうか。

同じ仕事を一つひとつ手作業でやっている会社と
全自動の機械を使って製造している会社では
後者の方が生産量が多いのは小学生でも分かります。

そして、手元に500万円しかない会社と500億円ある会社では
やはり後者の方が有利です。


前職のベンチャー企業に勤めている時、
ある大手企業の人が言っていたのは、

「ベンチャーや中小企業が特許を持っていたって全然怖くない。
 だって、つぶれるのを待っていればいいんだから」


つまり、1日24時間、1年365日という「時間」
短期的にはスピード感を維持することで中小企業にとって有利に働く
ことがあっても、
長期的には他の経営資源の格差がボディーブローのように効いてきて
不利に働くことがあるのです。


私がキャッシュフローが何よりも大事と申し上げているのは
単にお金の多寡に注目しているからではありません。


唯一中小企業が大企業と同じ条件を持っている貴重な
「時間」という経営資源を最大限に活かすために、
キャッシュフローが大事な指標となるからです。


手元に500万円しかない会社が現預金残高500億円の会社と
同じことはできません。

広告を打つにせよ、500万円しかないとそもそもキャンペーンで
1,000万円使うことはできません。


では、そんな会社が10万円しか広告に使わなかったら
やはり商品の認知度では500億円企業に到底かないません。

だから、時には思い切って300万円を先行投資しなければならない
こともあります。


その時、ポイントとなるのは

  • 300万円使ってもキャッシュフローに支障が出ないか

というキャッシュアウトに対する予測

  • 300万円使ったら、いつ、どのくらいの売上につながるか

というキャッシュインに対する予測です。


「『超キャッシュフロー経営』実現のための100の実践チェックリスト」

のNo.32は

価格・数量・時間の観点からフリー・キャッシュフローを最大化せよ


お金を使うのがもったいないと思って10万円しか使わないと
結果的に成果を出すのに大幅な時間がかかり、
いざ勝負をかけようと思った時に使えるお金がないということもあります。

キャッシュフローを考える際、特に「時間」の観点は見落としがちなので、
忘れずに有効活用しましょう。


来月6月6日(土)に開催する

「100リストから考える20年ビジネス戦略会議(第2回)」

も、貴重な「時間」を有効活用するためにご参加いただければ嬉しく思います。


今週も気がつくと早くも金曜日。

ご自身の「時間」を有効活用して充実した週末をお過ごし下さい。


★下記のフォームにお名前メールアドレスをご登録いただければ、最新発行分より「超キャッシュフロー経営通信」【UCF】をお送りさせていただきます。ぜひご登録下さい。

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