中小企業のお金の管理はストックとフローのバランスを保つ
中小企業のお金の管理はストックとフローのバランスを保つ
中小企業が成長していくためには、リスクを取って資産の回転率を上げることがどうしても必要。これをストックとフローに基づいて言えば、フローを意識しながら、定期的にストックで確認することになります。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今回は3連休があったので、気分を変えて動画も外で撮影しました。
「超キャッシュフロー経営のススメ」~お金も貯まると腐る
をアップしました。
お時間を作ってぜひご覧下さい(1分54秒)。
動画の中で
ストックかフローか
という話をしているのですが、一般的に
- 銀行はストックの商売
- 証券会社はフローの商売
と言われています。
銀行は預金としてお金を預かり、それを元手に貸付金という資産で貸付金利息という利益を上げます。
一方、証券会社は主に株式売買手数料で利益を上げるので、株式を持ったまま寝かしているお客さんよりも盛んに株式の売買を行うお客さんの方が好まれます。
これはどっちがいいとか悪いとかではありません。
現に銀行も今や手数料収入の増強に力を入れていますし、証券会社も顧客の預り資産残高を重視する傾向にあります。
資産をたくさん持っていると、なんとなく「安定している」イメージがあります。
けれども、せっかくの資産もそれを有効活用できなければ利益を生み出さず、宝の持ち腐れです。
また、フロー型の場合は「常に変動にさらされる」という印象があります。
けれども、余計なものを持たずに身軽な分、いざという時にすばやく行動できます。
昔金融商品で利回りが10%以上ついた時は、
「資産が1億円あれば金利で暮らしていけるなぁ」
と思ったことがありました。
しかし、今や1年物の大口定期預金の金利は0.1%にほど遠い水準(苦笑)。
みずほ銀行の大口定期預金の金利をホームページで調べると0.025%!
これだと1億円を1年間預けてももらえる利息は25,000円にしかなりません。
このため、現在では、資産だけで安定的に食べていけるのは相当の大金持ちだけです。
さて、会社経営を単純にキャッシュベースで考えると
最初の資本金を元手にどれだけ資産を増やせたか
という運用であるという考え方があります。
1,000万円を仮に年率0.1%で10年間運用できたとすると、単利で計算すれば
1,000万円×0.1%×10年=100,000円
つまり、
1,000万円が1,010万円に増える
ということになります。
そして、これを資本金1,000万円の会社として考えた場合、
「1,000万円で始めた会社が10年経って、総資産1,010万円の会社になりました!」
と言っても、倒産するよりはましですが、面白くもなんともない訳です。
このため、中小企業が成長していくためには
リスクを取って資産の回転率を上げる
ことがどうしても必要になります。
これをストックとフローに基づいて言えば、
フローを意識しながら、定期的にストックで確認する
ということになります。
資金繰りに関しては、
日々のお金の出入りをきちんと把握しながら、3ヵ月先の月末預金残高を常にチェックする
という感じです。
お金を減らさないことにこだわりすぎると、長期的にお金を増やすことにはつながりません。
ストックかフローかの二者択一ではなく、ストックもフローもです。
もし、あなたの会社が毎日頑張っているのに思ったほど成長できていないと感じているなら、もしかすると、
ストックとフローのバランスが悪い
のかもしれません。
身軽に動いて回転率を上げる
取れるリスクは積極的にとる
という点では中小企業は大企業に負けません。
ストックとフローのバランスを取って会社をより着実に成長させましょう。
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