直木賞作家が見抜いた銀行の本質
直木賞作家が見抜いた銀行の本質
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「金貸しいうもんは、五分五分の勝負には出まへん。九分の一の勝ちや思てもおっかなびっくりや。」
日経新聞に連載されている浅田次郎さんの小説「黒書院の六兵衛」に昨日出てきたフレーズです。
時は幕末。
明け渡しの決まった江戸城に黙って座り込む的矢六兵衛とは一体何者なのか?
その正体を知っているかもしれない 両替商が語る「金貸し」の本質です。
さすが直木賞作家の観察力は鋭いですね。
さて、現在における「金貸し」の代表が、銀行ですが、融資に対するスタンスとしては、九分の一の勝ちや思てもおっかなびっくりという点は、幕末と変わりません。
決算書を分析し、資金繰り表をチェック。
業界の動向や販売先・仕入先との取引条件を調べる。
私が銀行で働いて時から比べると、キャッシュフロー重視の傾向は強くなっています。
しかし、「まあ大丈夫かなあ」と思っても、やはり「もしお金が返ってこなかったらどうしよう」と心配症なところは基本変わっていません。
一方で、お金を借りる会社側は、「まあこれぐらだったら何とかお金を借りられるんでは」という甘いスタンスで融資を申込まれることも少なくありません。
九分の一ならまだしも、中には「どう見てもこれって五分五分でしょう!」という場合も・・・(汗)。
銀行はこちらが思っている以上に保守的である
という点は、頭の片隅に置いて交渉した方がベターです。
この点について次回はもう少し具体的な事例でお話したいと思います。
なお、浅田次郎さんご自身が経験された実話をベースにしたと言われている
「ハッピー・リタイアメント」
も金融の一面を知るうえでもかなり面白いです。
★下記のフォームにお名前とメールアドレスをご登録いただければ、最新発行分より「超キャッシュフロー経営通信」【UCF】をお送りさせていただきます。ぜひご登録下さい。