損益分岐点の落とし穴
損益分岐点の落とし穴
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
前回、資金繰りの分水嶺について書いたところ、ある方から「それって損益分岐点のことですか?」というご質問をいただきました。
鋭いご指摘ありがとうございます。
経営者の頭の片隅にあるのは、やはり、「我が社はいくらの売上を上げれば黒字になるのか?」ということですね。
特に期末近くになると、だんだん今期の着地見込みの数字が気になるところです。
もちろん、業績が好調でどうやって節税対策を行うかを顧問税理士の先生と相談されている方もおられるかと思います。
一方で、売上が今一つ伸び悩み、このままだと赤字になってしまうという会社も現実には多いのではないでしょうか。
そんな時、社長と経理部長の間では次のような会話が交わされます。
社長:「あといくら売上をあげれば黒字になる?」
経理部長:「そうですね。ちょっと待って下さい。・・・、ざっと計算すると2,000万円ぐらいでしょうか。」
社長:「あと2,000万か・・・、なかなか厳しいな。でも追加の借入の件もあるし、なんとかしてその数字はなんとかやらんとなあ」
この時、たいていの場合、経理部長は損益分岐点を計算して、社長の質問に回答しています。
早速、翌朝の営業会議で「2,000万円の売上目標必達!」を指示した社長。
期末まで10日あまりになったある日、営業部長が「社長、やりました!A社で2,000万円の契約が取れました!!」と報告。
社長も「さすが。よくやった!」と大喜びです。
しかし、期末を過ぎて1ヵ月近く、経理部長が「社長、前期の数字、まだ作業途中ですが、250万円ぐらい赤字になりそうです。」と言いづらそうに報告に来ます。
社長:「なにー!?この間と話が違うじゃないか?例の2,000万円の件もちゃんと入れているのか?」
経理部長:「はい、もちろんその数字も入っています。しかし、・・・」
社長:「つべこべ言わずに原因を分析してすぐ報告しろ!」
ぎりぎりで黒字化できると思っていざフタを開けてみると、なぜか赤字だった。
あなた会社では、このような経験をされたことはないでしょうか?
月次決算で毎月数字もチェック。
きちんと経理作業もやっているのに、なぜか見込んでいた利益が出なかったというケースは実際には少なくありません。
はたして、先の会社の場合、どこに問題があったのでしょうか。
少し考えてみていただければと思います。
6月29日に開催する
「営業出身の経営者のための資金繰り対策セミナー」
の中では、このような損益分岐点の落とし穴についてもお話したいと思います。
ところで、今月は弊社も期末。
お蔭様でなんとか無事6期目を終えることができそうです。
弊社の場合、顧問契約による収入が主体のため、今期の着地見込みの数字はほぼ把握できています。
あとは6月29日のセミナーに何人の方がご参加いただけるか次第です(苦笑)。
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