落合監督にあって、政治家にないもの
落合監督にあって、政治家にないもの
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「下手な経営書を読むよりよっぽど役にたちます!」
と、ある有名なコンサルタントの方が推薦していたのが、落合博満前中日監督の「采配」。
そのうち読もうと思っていたら、あるクライアントさんが、偶然、「すごく面白いから読んでごらん」と貸してくれました。
選手として3度の三冠王を達成し、監督としても8年間で4度のリーグ優勝と日本一1回という抜群の成績を収めた落合氏。
けれど、マスコミからは
「野球がつまらない・・・」
「なぜ、完全試合目前の投手を交代させたのか?」
「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に非協力的なのはけしからん!」
と、何かと批判されています。
しかし、先の本を読むと、中日ドラゴンズを優勝させるという自らの仕事に忠実だったがゆえというのがよく分かります。
さて、経営者の本分は会社を継続させ、発展させることです。
しかし、現実には
- 自分の指示が社員から不評だと、すぐに方針を変える
- 業績悪化に伴って、銀行などから大幅な経費削減を求められると、あまり深く考えずに実行する
という経営者がおられます。
けれども、経営者の本分に立ち返れば、
- たとえ嫌われ者になってもやるべきことをやる
- 人件費などを削って、かえって会社の収益力が落ちないかをきちんと考える
ということが求められます。
他人の批判や勝手な評価に惑わされず、経営者としての決断や采配にしっかりとした首尾一貫性があるかどうか。
なかなか簡単なことではありませんが、忘れずにいたい点ですね。
ところで、本の中には、落合氏が会社経営者に敬意を払う記述が随所に出てきます。
確かに、野球では、10回打席に立って7回失敗しても一流打者として評価されるのに対し、会社の場合、社員が全員3割打者では安定した業績をとうてい望めません。
この点、会社経営者は、プロ野球の監督よりも、より周到な準備と果敢な決断が求められていると言えます。
そう考えると、落合氏がこの「采配」を本当に読んでもらいたいのは、周りの評判ばかり気にして右往左往している政治家の先生なのかもしれません。
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