変動費の改善余地は大きい
変動費の改善余地は大きい
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「できる問題から先にやりなさい。」
入試直前に学校や塾の先生からよく受けたアドバイスです。
テストの場合、1科目あたりの制限時間が決まっています。
1問目が簡単な問題とは限らないため、最初に全体にさっと目を通して、簡単そうな問題や自分の得意そうな分野から手をつけた方が良いと言われます。
センター試験のように選択式でかつ分量の多い場合は、1問あたりにかけられる時間はごく僅か。
最初から解いていくにしても、答えがすぐに分からない問題は、飛ばして後から解くか、取りあえずどれかを選んで先に進むことで、テストの時間内でできるだけ合格ラインに近づけることが大切なポイントです。
では、会社の場合、「時間」を把握した後、資金繰りを改善するためには何から手をつけるべきでしょうか。
業況が悪くなって、経費の削減、リストラによる人員の削減というのはよく耳にします。
しかし、もともと固定費の多い大企業と違って、中小企業の場合、固定費による資金繰り改善効果はそれほど大きくないというのを時々感じます。
もちろん、それなりの効果はあり、見直せば、一定の効果はあります。
しかし、勘の良い経営者であれば、業績が落ち込み始めた際には、固定費に関してはそれなりの対策をあらかじめ打っておられるケースが多いように思います。
それよりも、実際に効果が高いのは、
材料費や外注費などの変動費
の部分です。
この場合、固定費部分についてはシビアに対応している経営者も、「取引先と従来からの長いつきあいがあるから」とか、「いつも無理をきいてもらっているので」といったようなしがらみがあり、案外手付かずのケースが多いように思います。
こちらの希望通りの条件で、生産、納品してくれない場合でも、「まあ、仕方ないかあ」という感じで最初から諦めていることも。
このため、単に価格だけでなく、
- 発注単位
- 支払条件
- 納入条件
などを見直すと、いろいろと改善余地は大きいのではないでしょうか。
あるコンサルタントの方は、今年、毎月発行している月刊誌の印刷会社を長年使っていたA社からB社に変えました。
その理由の一つは「締め切り時間がより融通がきくので」
その方の場合、たいへんお忙しいので、月刊誌の投稿が毎回ギリギリ。
A社も特段サービスに問題はなかったらしいのですが、最近は結果的に月刊誌の発行が遅れ気味になっていました。
そこで、何社かのサービス内容を調べたところ、B社の場合、以前よりも2、3日投稿が遅くても発行予定日に間に合うことが分かり、
B社に変更したのです。
変動費の改善には価格だけでなく、時間の観点から見直すことも必要です。
先の事例は資金繰り改善とは直接関係ないかもしれませんが、結果的に会社が提供するサービスの品質の維持、向上につながっています。
変動費は固定費よりも見直すと改善の余地が大きい
項目です。
ところで、テストで「できる問題から・・・」が推奨される理由として、1問でも解けると安心する、解いているうちにリズム感が出てくるというのがあります。
一方で、会社の課題はいずれもなかなかの難問ぞろい。
一つ解決しても、また別の課題が出てきてなかなか安心することはありません。
しかし、優先して解決すべき問題は何かという視点は常に忘れずにいたいですね。
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