返済方法は借入交渉の粘りどころ
返済方法は借入交渉の粘りどころ
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
前回は「資金使途」のお話をしましたが、資金使途と「返済方法」はある程度相関関係があります。
例えば、同じ3,000万円の借入でも
- (短期の)運転資金→3ヵ月後に期限一括返済
- 決算資金、賞与資金→600万円ずつ5回の分割返済
- (長期の)運転資金、設備投資資金→100万円ずつ30回の分割返済
という具合です。
そして、この返済方法に大きく関わってくるのが、
返済原資
です。
本来借入金を返す原資としては利益です。
「収益償還」という言葉をご存知の方も多いかと思いますが、儲かったお金から借入金を返すというのが、本来あるべき姿です。
500万円で仕入れたものを1,000万円で売るという商売があったとします。
手元にお金がないので、500万円を銀行から借入。
1,000万円が入金となる3ヵ月後に500万円を返済。
よくある借入の返済パターンです。
仮に毎月100万円の経費がかかっているとすると、3ヵ月間の収支は
売上 :1,000万円
売上原価: 500万円
経費 : 300万円
利益 : 200万円
このため、3ヵ月後に500万円を返済しても、手元にはきちんとお金が残っています。
一方で、500万円で仕入れたものが700万円でしか売れないケースもあります。
もし、同じく毎月の経費を100万円とすると、3ヵ月間の収支は
売上 : 700万円
売上原価: 500万円
経費 : 300万円
利益 :▲100万円
この場合、3ヵ月後に500万円を返済してしまうと、手元のお金が足りないということも・・・。
後者のケースだと、返済したらまたすぐに借入しなければならないかもしれませんね。
前述の事例は、単純なケースなため比較的分かりやすいかもしれません。
しかし、現実には一時的に資金不足をしのぐための借入申込みが多いのも事実。
そして、
借入金返済後の状態はどうなのか
は、意外となおざりにされているのです。
お金を貸す側は、できるだけ早く、確実にお金を回収したいので、時には会社の収支状況に関わらず、「この返済方法でないと融資できません」と言ってきます。
その時、会社側が説得力を持って、「この返済方法ならより確実にお金を返せます!」と言えるかどうか。
何回も銀行に借入申込みするのは、仕事のエネルギー配分の観点からもできれば避けたいところです。
資金の状況次第では、妥協せざるを得ない時もあるかと思いますが、
借入金の返済方法は会社の資金繰りを大きく左右する要因
借入申込みの際、できる限り粘り強く交渉すべき項目の一つです。
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